《interview》ITAMI GREENJAM 2018

事業費と運営費について

 

-今年はそれぞれ「プロに任せる」って事になると、お金はやっぱり掛かりますよね。
色々な方面から話を聞くと、日本で行われているGREENJAMと同規模くらいの無料ローカルフェスの事業費は大体1200〜1500万円辺りが相場かなと思ってるんですが、GREENJAMは700万円ぐらい。

 

– GREENJAMはずいぶんと少ないですね。その差は一体なんなんですか?
たぶん、ちゃんと各セクションをプロに「振ってる」か「振ってない」かの差で。

 

-「振る」というのは?
要はプロに任せるか任せないかの差が、この金額差かなと思っています。

 

– そうやって聞くとGREENJAMは今までかなり事業費を抑えていたんですね。フェスの運営費ってスポンサーや個人からの協賛金以外にどうやって集めるんですか?
よくあるのが、入場は無料だけど「駐車場チケット」は有料とか「キャンプインチケット」は有料とか。でもまぁGREENJAMみたいに本当にどっからも収入源が無くてこの規模のフェスをしているところは本当に聞いたことない 笑。

 

– では、今年からはGREENJAMも一部有料化を考えてたりするんでしょうか?
おおよそ今年のGREENJAMは事業費を1000〜1200万円ぐらいで想定してて。一部有料化はしたくないと思っているけど、本当に制作期間中ってどんな危機的状況が起こるかも分からないので、「選択肢として持っておかないと」とは思ってます。でも例えば「駐車場チケットを作ります!」って言っても場所が無いとか、「有料エリアを作ります!」って言っても、公共の公園に有料エリアを作ることがそもそも公園使用規定にひっかかったり、色々と問題もあって。そういったことを今、伊丹市と協議してるとこです。

 

伊丹市との関係

-「使用規定で駄目」と言われると僕らのような人間にはどうにもならない気もしますが、伊丹市側からOKが出る可能性もあるというわけですね。
「公共の施設に有料のエリアを設けるということは使用規定に違反する」っていうのは、お役所の方の立場としては全く正論なんだけど、その一方でそういう事を緩和していかないとGREENJAMが継続できなくなる可能性がどんどん増す事を分かって欲しくて。で、GREENJAMが無くなるという事がどれだけ伊丹市にとってマイナスな事か・・・マイナスって僕は信じてるんですけど・・・それを分かって欲しい。それは行政だけじゃなくて来場者の方々や関わる人々も含めてやけど。

 

-そういう意味では、GREENJAMは 良くも悪くも傍目から見たら大成功してるように見えるから、今大原さんが抱えているような危機感は伝わってないのかもしれませんね。
僕らが旗振って (ITAMI GREENJAMを) 立ち上げたけど、もう皆んなで守っていく段階まで行ってしまったから。そこをどれだけ共有できるかな?っていう。

 

経験が無いので全くイメージがつきませんが、市との「協議」って大変そうですね 笑。
この間も役所の方とお話しさせて頂いてた中で「話は分かるんだけど、市役所というのはこういう立場で」とか「こういう組織体制になってて」と言ってて。別に喧嘩を売ってるとかそういう意味じゃないんだけど・・・役所の方の言う事は凄い分かるんですけど、それを「正論」として言う一方で、伊丹市がGREENJAMを市の広報ツールとして様々な形で使用して下さっている事に、僕の立場としては凄く葛藤がある。だって、伊丹市が広報として使いたいと思ってくださる程、魅力的なものを形にしたのは、若いGREENJAMのメンバーだったり、本当に沢山の方々のサポートのお陰だから。そこには凄い労力やリスクを背負ってやってる皆がいる訳で。

 

– 大原さん側の立場としての話も凄く分かりますし、役所の立場も分かるし・・・難しいですね。
皆んなね、「家族がいるから」「仕事があるから」とか【GREENJAMをやらない正論】を言えばいっぱいあるわけで。ITAMI GREENJAMは皆んながその正論と戦ってきて生まれたもので。その「正論と戦いながら生まれた物」を正論を言いながら使用するっていうのは、単純に人として凄いセコいなって。

 

-でも「協議」してるってことはお互いに落としどころというか、GREENJAM開催に向けて前向きに動いてるってことですよね。
はい。やっぱりGREENJAMが伊丹市のPRになればやってる側からしても凄く嬉しいし。でもそれがどうやって生まれてるのか?って考えた時に、うまい事距離間を保って旨味だけ取っていく感じがちょっとズルいなって思ってしまう。でも行政の皆さんの立場も分かるし、だからそこも含めて僕の能力不足かなぁとも思います。どれだけ伊丹市に積極的に協力して貰える形を作れるかってとこで。

 

シティ・ブランディングとしてのITAMI GREENJAM

最近では「シティ・ブランディング広報戦略課」とかいう課が全国各地に出来てきて。それって各自治体が危機感を持ち始めたって事だと思うんですが。選ばれる街じゃないと何年後かに潰れてしまう市町村も発表されたりして。いつ (伊丹市も) そこに入ってもおかしくないほど、全国的に人口は減って行くし。そういう時に街の魅力の創造と発信が必要になっていくと思うんですけど、じゃあその魅力を誰に向けて発信するのか?全国どこもシティプロモーションのターゲットはほぼ同じ、20〜30代。そこのターゲットに対して今まで行政がやってきたのは<子育て環境の向上>とか<若い世代家族への転入家賃補助>とかそういったハード面で。僕も実際子どもがいるのでそれがめちゃくちゃ助かる事は実感していますが、その反面「それだけじゃないよね」っていう気持ちは20〜30代皆んなにあると思う。

 

– たしかに、そういった事は既に多くの自治体がやってるイメージがありますね。
<音楽> <ファッション> <アート> とか、そういうクリエイティブなツールを上手く街の魅力発信として利用してる所、やっぱりそういうところに皆んな反応しますよね。だって、俺ら世代がターゲットですから。そういう事をいち早くやったのが大阪や神戸で、神戸の「078プロジェクト」っていうのはそういったソフト面に特化したシティプロモーションプロジェクトを去年からやっていて。これは神戸市と様々な神戸のクリエイティブ企業共同でやってる。

 

– そうなんですね。知りませんでした・・・。
今はシティ・プロモーション動画っていうのを全国どこでもやってるじゃないですか。あれって直接な効果は凄い測りにくいけど、あれも言えばソフト面でのプロモーション。これからこういったソフト面を活用した街の魅力創造と発信は間違いなく増えていくし、それが分かっている中で「GREENJAMの持続継続をどこまで本気で考えて下さってるんだろう?」と不安に思ってしまいます。

 

– たしかに、GREENJAMには今挙げたようソフト面の全てが凝縮されていますね。
そうなんです。だから本当にこのイベントを皆さんで一緒になって守ってやって下さい、と切に願っています。

 

前回のインタビューで大原さんが「役割」と言っていましたけど、将来的に「じゃあGREENJAMを通して街の魅力発信したいから市議になるわ」っていう人が出てきたらおもしろいですね。
そういう風になったら面白いですね。まぁ、行政だけじゃなくて来場者の方も含めて、そういう事を考えてもらえると。

Be the first to comment

Leave a Reply

Your email address will not be published.


*