《interview》嵯峨美術大学(および嵯峨美術短期大学) 学長 : 森本 武

そうですよねぇ。ちょっと脱線しましたけど、中学2年のその出来事で一気に文章書くようになったんですか?

それから、当時の友達が皆んな偉そうに小説の話ばっかりしててねぇ。自分は何にも分からへんからなんや癪に触るなぁと思って・・・。まぁ理系の人間は小説なんて嘘くそやと思うから。嘘の世界に興味ないもんね。

 

僕は今でもそう思ってるから、あんまり小説読む気になれないんですよね。

まぁ読まなあかんもんじゃない。でもその時の僕は友達の関係もあって、読んで話しのネタにしなあかんかな?って思って。

 

その辺だけ子どもらしいですね(笑)。

ちゃんと覚えてないけど、「野菊の墓」っていう最初に読んだ小説があるんですよ。それでめちゃくちゃ感動してね。

 

1発目で?

そうや、1発目で。なんかボロボロ泣いてもうてね。

 

失礼ですけど、初めて先生に人間らしい感情が芽生えた瞬間ですね(笑)。

そうかもしれん。自分の最愛の奥さんが死んでしまうだけの話やねんけど。

 

「だけ」って(笑)。

そうやんか。そやのに何でこんなに感動すんのかな?と思った。凄いなとその時ビックリしたんや、言葉が。こんだけでっち上げて人を感動させる。

 

そう言われてみれば、作り話で人を感動させたり怒らせたり、って凄いことですよね。

こっちは嵌められたわけやろ。そのことに凄い感動した。最初は不純な動機やったけど自分から「これは色んな小説読まなあかんわ!」と思って。まぁ今はそっからまた時間経って、今現在は小説はほとんど読まないけど。

 

えぇ!途中まで小説家になってもおかしくない話やったのに。

やっぱり本来の姿・・・というか、架空の話より「ほんまどうやねん?」という方に関心が強いからね。今は「人間は死んだらどうなるのか?」とか「人間の正体はなにやろ?」という方に関心があるからね。

 

発売:2017/6/1 初版

 

まぁでも、話を聞いてて森本先生が何故こういう風になったのか少し分かった気がします(笑)。アナキー・タケの名で詩も書いてますよね?

詩が一番自分の表現をするには良い方法やな、と自分では思ってんねんけどね。

 

 

どういう所が自分に合ってると思いますか?

まず、金が掛からへん。映画とか建築やったら物凄い金も時間も掛かるやろ?詩っていうのは、メモに書いたらええし、パソコンやったらキーボードで打ち込めば良い、と。もう、直ちにできて安上がり。だから、思ってるものがあまり損なわれることなく、素直にスッと定着できる。それが詩の持つ良さやなぁ、と。

 

なるほど。

大仕掛けな準備して何かを表現しようとしたら長い時間掛かるから、その間に色々苦労しなあかんからねぇ。関係者と長い時間打ち合わせせなあかんし。だから元々の素朴な考えってどっかに飛んでまうよね(笑)。

 

詩って制限が少ない分、考えても出てこない気がするんですけど。

だから、考えるものではないよね。

 

でも詩集を出すにあたって期限とかあるでしょ?

自分の活動の中では期限はあるけど、それ以外は勝手にやってるから。

 

では、どういう状態の時に詩を書くんですか?

それはもう浮かび上がった時。

 

詩って抽象的な表現の人もいるし、具体的でイメージしやすいのもあるし・・・、短文の人も長文の人もいるし。なんか自由ですよね。

何かを人に訴えたいっていう詩があるでしょ?普通にこうやって話をして訴えるのも良いけど、知らん人にも訴えたい事があって、それを知らん人に、詩にして読んでもらうという手がある。今やったらネット上で詩を書いといてもええ。

 

今日、寝坊しそうで焦って持ってくるの忘れたんですけど、先生から頂いた詩集で・・・

アナーキー・タケの限定版やね。

 

その中に1個・・・これ僕の事ちゃうかなと思った詩があって。

そう思って貰えるのは嬉しいね。僕の書きたい詩は、人間共通の本質にかかわることやから、君にも引っかかった証拠やから。

 

細かい文章覚えてないですけど、「お前は元から生産性悪い人間やねんから、いっぱい失敗してもええよ」みたいな内容の(笑)。

あぁ、ダメ人間について書いた詩ね(笑)。自分の事やと思たんか?(笑)

 

そうですね。僕の人生すごい効率悪い気してますし、でも「まぁいっか」って。

そやけど、結局だれにとっても「正しい生き方」なんてものは無い・・・もし正しい生き方が1個しか無いんやったら、それだけ教えたらええやろ?

 

ですね。僕も頭悪いなりに先生の色んな本読んで、凄い思いました。皆、自分の人生しか知らんわけやから、そこに「良い」も「悪い」も無いな、と。

誰もが自分流に生きるという自由を与えられとるわけや、ありがたいことに。まぁそやけど、それがある枠を越えた時に、これまた自然としっぺ返しがくるという・・・。

 

それは法律・・とか?

いや法律じゃないと思うけどな。もっと目に見えへん物や。まぁ法律言うのも1つの枠やけど、日本におったら日本の法律で縛られてるけど、ほんまは法律は絶対正しいものちゃうわけやけどね。けど、法律破らん方が一応便利というか。法律を破って生きとってもええんやけど、バレた時にややこしい事になって苦労するわな。その苦労を覚悟しなあかん。

 

まぁ、無理に法律を破ろうとは思わないですけど(笑)。

例えば法律が正しくない場合もあるよね?自分の考えからしたら。

 

ありますね。

そういう場合その人がどうするかやけど。法律を破ってでも自分の考えや気持ちを尊重してもええんちゃうかという考えもあるわな。

 

個人的にはそういう人を応援したいですけどね。まぁ勿論、内容にもよりますけど。でも大抵の場合、周囲の人はそのものの是非よりも、法律を破る・破らないってとこから考えがスタートするじゃないですか。

何を大事にするか、というのはその時々で自分の判断が求められているということやからね。

 

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