《interview》嵯峨美術大学(および嵯峨美術短期大学) 学長 : 森本 武

でも森本先生は時間に追われてる感じがしないですね。

あー・・・皆にそう言ってもらえるね。めっちゃ忙しそうな人っておるでしょ?ああいうのはね、言葉悪いけどほんまに仕事できひん人やと思うんですよ。ただ動きまわったから言うて良い結果出せへん。あたふたしてるよりも、何が問題かを冷静に考えなあかんわけやから。

 

僕も凄いあたふたするタイプなんで・・・。

「自分」というもの見るということは、どんな場面でも大事なことやと思う。仕事の事も自分の人生の事も一緒やと思う。やっぱり感覚的に反応する前に、何が起こってるのかということをちゃんと見ること。そうすると今できることと出来ひんことが分かるから。ほな、できひん事は諦めなしゃあない。できることをやるしかない。そうしたらかなり絞られるやろ。

 

言ってることは凄い分かります。

できる中でどれとどれが今できそうか?ってなった時に「ほな、これしよか」って。

 

分かるんですけど、実際その状況になった時になかなか余裕が・・・。

だけどな、一番駄目なのは「できひん事」に一生懸命エネルギー使ったり時間使うことや。できひんの分かってるのに、何とかしようとして動き回る。それで体が草臥れて・・・あたふたしてもええこと無いんですよ。だから、僕はリーダーの条件っていうのは「すぐにできない事を見抜く能力」やと思うんですよ。

 

ほうほう。

反対にできひん事に時間取られてたら、今できる事に対する対応が遅くなるでしょ?そしたら更に大失敗になるわけや。まぁこうやって今、何も(事件が)無いから僕も偉そうな事言ってるわけやけど・・・けっこう1年に色んなことが起こるからね、大学は。

 

へぇ。大学ってトラブル多いんですね。

いつも思うんやけど、そういうトラブルから色々学ばせてもらってるんやな。自分の人間修行やな。どーんと来た問題は、すぐに結論出したらあかん、1日くらい寝かすんや。「これは凄いのきたな」と。

 

「寝かす」っていうのは、持ち帰ってその問題を考えるんじゃなくて「放っておく」って事ですか?

「一旦放っとおいて寝てまおう!」って感じやな。ほんで次の日の朝、もう1回「何が起こってんねん?」って冷静に考える。

 

なるほど。

それともう1つは、直接当事者に聞くということ。これが絶対に大事な事。ほな、思ったより(実際の問題は)小さいのが分かる場合があるから。それで話を聞いてる内に解決策が出てくるからね。だいたいね、間接的に聞いた話は大きくなってるから。皆あたふたするやろ?間接的な話をそのまま受け取ったらガタガタ震えてまう(笑)。

 

間接的に聞いた話が想像より大きかったっていうのは無いんですか?(笑)

圧倒的に少ないね。まぁ今の仕事やってたら色んな意味で勉強になるよね、ほんまにどう対応せなあかんのか、ってことが。

 

具体的にはどういう事ですか?

自分1人の人生に於いても色んな事が起こるやんか?ましてや大学全体の責任者になったら、体が大きくなったみたいなもんや。いち教授やったら、何か問題起きても「誰かが解決するやろ」で済んでたわけよ。それが自分が最終的な責任者になったら・・・例えば、守衛室で何かあってもほっとけへんわけよ。最後こっちくるかもしれんわけやから。火種はあっちこちになんぼでもあるよ。それがどこで火事になるかわからへん。

 

はぁ〜・・・そういう物の見方になるんですね。

(学長職が)大変やなぁってのはあるんやけど、同時に見方が大きくなるから、それは凄い勉強になった。だから何か起こった時に「えらいこっちゃ!」ってなってる人を見ても、僕から見たら「小さい事やな」って感じる。自分の中のスケール感が大きくなった。

 

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