《interview》嵯峨美術大学(および嵯峨美術短期大学) 学長 : 森本 武

File No.4
嵯峨美術大学(および嵯峨美術短期大学) 学長 : 森本 武
聞き手/KAKELU

 

身の周りで「先生になりたい!」という話を聞いたことはあっても、「教授になりたい!」という話は今まで聞いたことがありません。この間、突然「一体どんな人がどんな過程を経て教授になったんだろう?」と気になったので早速、京都嵯峨美術大学で学長を務めている森本 武さんにお話を伺いに行ってきました。ところどころ悩み相談みたいな箇所もありますが、それも含めてお楽しみ頂ければ幸いです。

 

今日はよろしくお願いします。簡単に自己紹介をお願いします。

え〜、森本武です。今は嵯峨美術大学および嵯峨美術短期大学で学長をやってます。あと、NPOのK’s Pointというものを主宰しています。

 

-K’s Pointとは何ですか?

Jiddu Krishnamurti(ジッドゥ・クリシュナムルティ)という哲学者の考えを中心に勉強会をやっています。まぁほんで・・・「如何に人は不安なく生きていくか」、それがテーマですね。

 

もう少し教えてもらっていいですか?

多くの人が今、色んな意味で不安を抱えとるわけですけど。そこは非常に・・・大胆に言ってしまうと「考えてるからや!」ということですね。「考える」いうことが問題やというのがクリシュナムルティという人の言い分であって、それは僕もその通りやと思ってね。なので「考えること」、つまり「思考」やね。思考がクセもんやと。その点が研究会の中心になって、色んなテーマをとりあげて、そこで考えたり、皆と議論してます。

 

書籍も何冊か出していますよね?まぁ、ちょっと順番に聞いて行きたいので、まずは大学の教授の仕事について教えてもらいたいと思います。そもそも大学教授って何するんですか?(笑)

何するて、それは教える事やろ。「授業」。それと「研究」。それが基本。もう1つ大事な事は「大学運営」ということやな。経営や。

 

「研究」って具体的に何してるんですか?

理論を研究してる人やったら、それを論文とか本に書いたり。

 

あ、それは学校に対してじゃなくて「自分で勝手に活動してて下さい」みたいな感じですか?

まぁ勝手にってわけでもないけど・・・できるだけちゃんとした形にしていかなあかんねん。大学が出してる論文集の紀要に発表したりとか。実習系の先生やったら個展をやったりグループ展に出したり、作品作りやな。

 

授業だけやってます、じゃ駄目なんですね。

(自分の研究を)何もしてないとあかんよ。まぁ人によって、そういう事をよくやってる人とやってない人の差はあるけど(笑)。だから大学によっては「数」を要求するような厳しいところもある。

 

へぇー。

それやらんとクビとまでは行かんけど、上に上がっていかれへん。

 

学長になるとプラスでどんな仕事が加わってくるんですか?

学長になると「経営」という観点が強くなるわけですよ。皆が言うてることを「まとめる」ということでしょ、それから大学の方向を打ち出していかなあかん。先生それぞれ違う考えを持ってるので。

 

他の先生の意見もちゃんと聞かないと駄目なんですね。

単に先生の考えを聞くだけではなくて、独自の考えを打ち立てて「こうしたい」と言っていかなあかんのですよ。今はもう法律で学長の権限が物凄い強くなってるんですよ。

 

と、いうと?

昔は教授会がOK出さなんだら学長1人ではどうにもならんかったんや。今は教授会が何と言おうと学長が決めたらOKやねん。

 

すごい。強行採決みたいですね(笑)。

強行採決すら必要ないねん。「こうしたよ!」って報告したらええねん(笑)。まぁせやけど、今僕はそんな事しとらんよ。法律ではできるんやけど、できるだけ民主的にやりたいからちゃんと教授会で議論してるし、このやり方は変えないと宣言してる。ただどうにもならない時には僕が結論を出す。

 

やっぱり学長になると教授時代よりも忙しいですか?

話がまとまらない時は僕がいっきに決めないと手遅れになるから、時間との戦いという意味合いもあるけど・・・忙しいというと・・・うーん・・・僕自身は時間に追われてるとは思わへんけどなぁ。

 

でも学長になると教授より仕事量は多いでしょ?

同時的に抱えてるものはいっぱいあるわな。それからうちの大学で誰かが何かを失敗しても、最後の最後は学長責任やから、こうやって君とのんびり話してても何か事件起こったら連絡来るわけやから。

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