《interview》 須磨学園水泳部コーチ : 坂本匠

-それから今指導している須磨学園に来ることになった経緯は?

働く環境を大切にしたかったから、色んなコーチと会ったり電話して、そのコーチは「どんな考え方なんか」「情熱があるのか?」っていうのも見てて。

 

-凄いな!雇ってもらう立場やのに。

その中で須磨学園でヘッドコーチを務めてる谷川コーチが・・・一番こう・・・情熱があったっていう。

 

-そうなんや。同い年って聞いたからてっきり友達なんかと。

会ったことは1回しかない。後は全部電話。他の学校で指導してる人にも話聞いたけど、学校の業務が忙しくてクラブに手が回らへんっていう人もおったし、凄い情熱あるって言う人でも練習見に行ったらプールサイドでずっと座ってるだけの人も居たし。そんな中で谷川監督は「どうしても今のメンバーを勝たしてあげたい」って言うてて。話をする中で「8月の五輪が終わったら帰国しようと思う」って言うたら、「今すぐ帰って来てくれ」って。で、その2週間後にマンションとか全部解約して帰国した。

 

坂本さんが須磨学園で指導するきっかけを作ってくれた須磨学園の谷川ヘッドコーチ(写真右)。

 

-アメリカと日本の両方での指導経験があるから聞くけど、指導するにあたって日本と海外の違いはある?

選手に関しては、日本の場合言われたことを黙々とできる子が多いな。コーチに言われたことやって結果出た→やった!。結果出なかった→駄目だった。っていうコーチに依存してる感はある。日本の場合は受け身というか・・・。アメリカは逆で「○○秒で泳ぎたい。その為に何したらいい?」って向こうから聞いてくる。だからこっちも「こうやってみたらどう?」っていう風に選手とコミュニケーション取りながら泳ぎを作り上げていく。

 

-逆に言ったら日本の場合はコーチの技量がそのまま反映されるわけか。

そうやねんなぁ。でも、選手がパフォーマンスするわけやから、自分がどういうパフォーマンスをしたいのかイメージ持ってないのに「こうしよう」って言うたところで、同じイメージを共有できてないとあかんと思うから、今は指導する上でそういうとこに気をつけてコーチングしてるな。

 

-それで実際、今指導してる選手達から自発的に質問してくるようにはなった?

う〜ん。まだ聞いてくる事はあんまりないな。聞いて来やすい雰囲気を出すようにはしてるけど。1年目は話をしやすいコーチって印象を与えた感じかな。選手とは3年間の付き合いやから、来た時の1年生が今年2年生になって、今年は自分のパフォーマンスのイメージを持ってくれれば良いかな。自分の泳ぎやパフォーマンスを考える習慣をつけて、3年目にその集大成。

 

-性格変わった?笑。学生の頃は欠片も気の長いイメージ無かったのに・・・。

変わってん俺は・・・・。

 

-水泳というか、話を聞いてたら生徒に生き方を教えてる感じもするけど。

そうなんかな 笑。高校生の子らからしたら俺が教えるのは3年間しかないわけで、その後大学で水泳続ける子は違うコーチから指導されるわけやし。そうなった時に考える力がないと、大学は高校より篩(ふるい)にかけられるから。卒業して外に出た時にちゃんと自分の事を自分で理解できるようになってた方が良いやんか。

生徒1人1人が書いた練習ノートに目を通し、それぞれの指導法を確認している様子。

 

-そういう考え方になったのはやっぱり海外での経験があったから?

そうやな。大学生の時に日本のスイミングでアルバイトしてた1年間なんかは俺も必死で、練習メニュー作るけどこのメニューがどんな効果起こるとか何も分かってなかったから。今の場合は成功パターンを何回も(アメリカで)見てるから自信を持って指導できてる。

 

-例えば、そのパターンっていうのは?

成功してる選手の共通点は、まず自分の泳ぎとパフォーマンスに興味があるってことやな。まずはそれを今指導してる子らに教えていく必要があるやろな。

 

-技術よりももっと根本的な事なんやな、試合で速くなるってことは。

博打じゃないから、試合は。練習でこういう事やってきたからタイムが出ましたって、それだけやから。今のままやとほとんどの子が、一生懸命練習したのにタイムが出えへんのは何でやろ?わからん、ってなるだけで次何したら良いのかもわかってない。競泳はタイムが出ないと単純に面白くないから。

 

-なるほど。スポーツは無心でやるもんじゃないんやな。

そうやって常に考えて取り組まないと、大学生になったら体の成長が止まって、自己ベストを出しにくくなる。その時に技術を向上させる事が大切になってくる。でも、ただ与えるだけのコーチングやったら技術について考える力が身につかへんから苦労すると思う。だからこの3年間で考える力や技術を向上させる為の発想を共有しながら養っていって欲しいねん。

 

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