《interview》 須磨学園水泳部コーチ : 坂本匠

-じゃあそのコーチとの出会いが渡米した最大の収穫やったんか。

うん。一番デカいな。それで価値観が変わった。そのコーチもそうやし、ローランド・スクーマンっていう元世界新記録持ってる人がたまたま俺が行ってたスイミングにおってん。

 

-ごめん・・・どなたですか?

俺らの世代からしたらローランド・スクーマンってスーパーヒーローやねん。

 

-サッカーで言うジダン的な?

そうそう。最初、俺が行ってるスイミングにその人がおるって全く知らんかってんけど・・・。ローランド・スクーマンは右の肩甲骨辺りに刺青入れてんねんけど、それは印象に残ってて、「あれ?あの刺青・・・しかも自由形やん・・・顔もめっちゃ似てるやん」ってなって。

 

-それで?

1週間ぐらいずっと疑問やってんけど、もう腹括って「間違ってたらごめん、ローランド・スクーマンやんな?」って声掛けたらやっぱり本人やった 笑。

 

-スーパースターと直接しゃべったんや!

たまたま俺が渡米した時の冬ぐらいから行ってたスイミングの(ローランドの)担当コーチがいなくなって。ローランド・スクーマンが練習を一人でやってたからタイム取ったりしてお手伝いするようになった。

 

ローランド・スクーマン(中央左)、稲田法子さん(中央)、エトゥー(中央右)など、錚々たる顔ぶれ。

 

-急展開!まじかよ。

世界のスプリンターってどんな練習してんねやろ?って思って見ててんけど、全然泳がへんねん。

 

-なんで??

一般的にスプリンターもたくさん泳がせたりすんねんけど、彼は全然泳がへんねん。けど、それでも本人は「スプリンターの中では(俺は)泳いでる方だよ」って。

 

-どういうこと?

要は必要な事しかやらへん、みたいな。スプリンターの泳ぎ方とかトレーニングの仕方ってのは、彼に身をもって教わった。

 

-学ぶ事多かったんやなぁ

あれはたしかに(立場が)逆転してたな 笑。

 

– (笑)。流石にローランド・スクーマンには何も(指導的な事は)口出しできんかったん?

言うよ言うよ。俺は体の使い方もGCUで教わってたし、それはトップスイマー見ててもできてない人おったし、そういうのに関しては言ってた。

 

-そんな凄い人でも素直にアドバイスを聞いてくれるもんなん?

聞いてくれるよ。基本的に外国人っていうか、、、海外に行った時に俺が思ったんは・・・相手にある程度認められるようなったら皆話は聞いてくれる。ただ、実際に(選手本人が)何回もやってみてうまく行かんかったら、それ以降真剣な話はあんまりせえへんくなるな。

 

-へぇ。一度は聞き入れてくれるんや。

だからさっきの大学(GCU)の話やけど、2日間交代で距離別に選手見てたって話したやんか。あれも俺の指導が合う人は話聞いて素直に取り入れるけど、合わへん場合は「うんうん」言って聞いてても実際にはやらへん 笑。

 

-選手達がそれぞれ選ぶねんな。

そう。でも、それでコーチのアドバイスを選手が取り入れへんかったとしてもお互いに仲悪くなったりせえへん。

 

-えー!俺がコーチやったら「この野郎!」って思って、生徒のこと嫌いになるな・・・。

選手が自分で合うコーチ合わへんコーチを選別しよるし、コーチもそれが普通やと思ってるから。アメリカのクラブチームのメンバー(在籍選手)は1年ごとで全然変わる。合わへんかったらすぐ辞めて他のチームに移籍する。だからコーチも必死にアイディア出すねん。

 

-お互いプロフェッショナルなんやな。

スポーツだけじゃなくて、色んな分野で成功してる人ほど、頭ごなしに否定せずに人の意見聞いてくれる。俺が行ってたスイミングクラブもたまたま成功してる人の方が多かったから、そういう成功パターンじゃないけど、「こうやったら成功するんやろなぁ」っていう人柄というか・・そんなん分かった気がする。

 

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